寒い日に電車に乗り込むとメガネが曇ったり、買ったジュースに水滴がついて服が濡れたり・・・という不快な現象をよく目にしたことがありますよね。こういう現象は「結露」と呼ばれているものです。結露というと、冬の家の窓を想像しませんか?どれもしくみは同じです。また天気や気温で濡れ方も違ってきます。
この結露、発生すると窓辺がびしょびしょになったり、視界が遮られたりしてとても不快なものですよね。ここでは結露のしくみを探りつつ解決策をご紹介していきます。
では、結露はどうやって発生するのでしょう。
冬の窓ガラスを触ると冷たくなっています。それと反対に、窓ガラス付近の空気は暖かくなっています。この冷と暖に原因があるのです。 私たちの普段吸っている空気には、実は水蒸気が含まれています。空気は暖かければ暖かいほど水蒸気をたくさん含むことができ、逆に冷たければ水蒸気を含むことのできる量は少なくなります。では、暖かい空気が冷やされたら、空気中の水蒸気はどうなるのでしょう?
暖かい空気が含むことのできる水蒸気の量をコップ一杯分、冷たい空気が含むことができる水蒸気の量をおちょこ1杯分としましょう。
暖かい空気が冷たい空気になるということは、含むことのできる水蒸気の量が少なくなるので、あまった水蒸気は空気中に入りきれなくなります。入りきれなくなった水蒸気は押し出されて水滴となります。コップ1杯の水を、おちょこに移すと水はあふれるのと同じですね。この水滴が「結露」と呼ばれているものなのです。
冬の窓を例に考えますと、窓ガラスは外気によってとても冷やされています。逆に室内は暖房などで暖められています。室内の暖かい空気が冷えた窓ガラスにぶつかると冷やされ、空気中の水蒸気が水滴となって窓ガラスに付着するのです。こういった理由で、冬の窓は結露しやすいのですね。
空気の温度と空気中に含むことのできる水蒸気の量の関係を表したグラフです。このグラフを使って室内温度の変化による湿度への影響を求めたり、温度と湿度から空気の露点(結露が始まる温度)を求めることができます。
年間を通して望ましい室内湿度の目安は45%~60%です。
A:室内温度の変化による湿度への影響を求める場合
[例]A線
室内温度20℃、相対湿度60%の密閉された部屋(グラフの20oCの縦線と湿度60%を示す曲線の交わった点)が、夜間に室内温度が15℃に低下すると(先ほどの交点を水平に15℃の位置まで移動させると)、湿度は82%に上昇することが判ります。水蒸気の量は一定でも、温度が低下すると湿度が上昇するわけですね。
B:温度と湿度から空気の露点を求める場合
[例]B線
グラフの20℃の縦線と湿度60%を示す曲線の交わった点を水平に左に移動させ、湿度100%の曲線とぶつかった位置の温度を読むと12℃となります。これで、20℃、湿度60%の空気の露点(結露の始まる温度)は12℃だと判ります。12℃より冷たい窓ガラスなどに触れたりすると結露するわけですね。
空気中の水蒸気が多いと、結露が発生しやすくなります。したがって、空気中の水蒸気を外に逃がすことで、結露を軽減できます。特に就寝前の換気は朝方の結露防止に効果的です。
夏は高温多湿で、外気の方が多くの水蒸気を含んでいます。 このため、夏に換気をすると、室内に湿気を取り込むことになります。室内の除湿を心がけることが必要です。浴室などは換気扇を回しておくと効果的です。除湿機も湿度を抑えるので効果的です。
暖房機器は、室外排気タイプのものを使用しましょう。また、加湿器の使用を抑えましょう。
① 各部屋が同じ温度を保つよう、ふすま・ドア等を閉めっぱなしにせず、できるだけ開放して 使用してください。
② 家具等を特に外部に面した壁面に接近しすぎると通風が悪くなり家具の裏面が結露しカビが発生することがあるので注意してください。
③ 室内の換気口は常時開放し、時々窓も開けて空気の入れ替えをすると共に、空気のこもりがちな押入、浴室等も開放して空気の入れ替えを行ってください。
④ 水蒸気の発生を抑えるため、炊事や洗濯物を干す際は窓の開放・換気扇の使用を必ず行って ください。又、浴室使用の際は必ず扉を閉め、使用後は扉を閉めて換気扇を十分に使用する と共に浴槽のお湯は速やかに抜くようにしてください。
⑤ 加湿器の使用及び煙突を要しない暖房器具(電気暖房を除く)の使用は結露を発生させますので絶対に使用しないでください。
⑥ 窓面についた水滴は、放置しますと壁や床にしみ込みカビの発生原因となりますので都度ふき取るようにしてください。
上記の記載事項を注意しても、結露発生が抑えられない場合は弊社までご連絡頂ければ、結露防止のアドバイスや状況により除湿機の無料貸出を行います。お部屋の管理はお客様の責任で行うものなのでこのような場合は放置せず必ず管理会社である弊社に報告・相談してください。万一放置してしまい、カビ等の被害が拡大してしまった場合は修繕費等をお客様にご請求させて頂く場合があります。お客様それぞれの生活スタイルが違うように、部屋の向き、間取り、階数等によって同じ建物でも結露発生の原因が違います。ご相談頂ければお客様に合わせた結露対策をお部屋に伺いお話させて頂きます。 |